グレードテスト
大手の楽器店や音楽教育団体などで行われている「グレードテスト」
(楽器店、団体でその名称は、違う事があります)
私は、元カワイ音楽教室の講師で
在職中10年ぐらい「グレードテスト」の審査員をしていました。
まだ一度もテストを受けた事がない生徒さんやご父兄から
「グレードテストって何ですか?」と聞かれることがよくありました。
ここでは、カワイのグレードテストについてお話します。
カワイの子供さん向けのグレードテストは、曲を弾くテストで
伴奏付けや即興演奏などのソルフェージュのテストは、ありません。
「グレードテスト」は、レベルごとに実施される
「これまでに習った演奏技術やそれに関するソルフェージュ(リズムや楽譜の読み取り等)が
習得出来ているかを見極めるものです。
もっとざっくり言うとすれををば
「大きい単元テスト」といったところです。
物凄く実力がなければ合格しないというテストではありません。
レッスンで習ったことを日々の練習で少しづつでも身に着けていけば良いのです。
初級レベルでは、「音、リズムが正しいか」「指の使い方が良いか」
「丁寧に弾くように心掛けているか」を中心に聴いていました。
この3つのポイントと更に「歌心」があると評価は上がります。
出来るだけ全員合格させてあげたい思いがとても強いです。
ちょっと間違えても丁寧に弾きなおせば評価できます。
例えば弾き始める位置を1オクターブ間違えて最後まで弾いてしまったとします。
そんな時は、審査員が生徒さんに
「弾き始めの場所は、合っていましたか?」と聞きます。
その時に生徒さんが間違いに気が付いて
もう一度始めから弾けば合格です(初級の場合)
中級、上級になると「著しい音ミスがないこと」「曲を弾くテクニックが身についているか」
「曲にふさわしい弾き方が出来ているか」がポイントになります。
表現することは、その多彩さと難しさに誰もが悩まされるのですが、
正解も1つではないところが救いです。
ただテストですので、あまりも少数の人にしか納得出来ない奏法は
避けた方が良いです。
上級の課題曲には、生徒さんを悩ませるちょっと難しい曲が出されることがあります。
過去に「転ばないで」という曲が課題曲が出たことがありました。
特に曲の真ん中あたりが難しくてもう転びそう。
私の生徒さんもこの曲で受験したのですが、
本当によく頑張って練習して合格しました。
中級になると合格出来ない場合がちょっと増えてきて
上級になると曲も難しくなり合格率が低くなります。
グレードテストは、「誰を合格させるか」というコンクールと違い
「出来るだけ合格させてあげたいテスト」です。
いつもより少し時間をかけて練習することが大切です。
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